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千反田えるの接待奉仕

 2 縛られるカラダ(中)

 ――先日から、千反田家への協力の代価に長沼先生へ性奴隷として仕えることになったわたしですが。先生――いえ、旦那様から指定された料亭で処女を捧げた翌日から、『調教合宿』という名目で一週間ほどですが、長沼家へとお世話になることになってしまったのです。
 そして、ここが重要なのですが。性奴隷わたしが長沼家で生活するに当たって、絶対服従の命令ルールがいくつか定められていました。

 ひとつ、合宿期間中は屋敷の外へは一歩も出ないこと。
 ひとつ、合宿期間中は外部との連絡を一切絶つこと。
 ひとつ、屋敷にいる間は衣服を一切身に着けず、常に全裸でいること。
 そして最後のひとつ、これが一番重大ですが。屋敷にいる者――これは旦那様だけでなく、そのほかの使用人の方もですが――の指示めいれいに対して絶対服従を心がけること。


 以上のルールをもし破ってしまえば、その時は間違いなく父の依頼は反古ほごにされてしまうことでしょう。そうなってしまえば処女を捧げたことも含めて、これまでのわたしの頑張りも台なしになってしまいます。
 ですから、そうならないためにも旦那様にお世話になる間はひたすら従順に、性奴隷として従わなければならないのだと――つまりは、そういうことなのでした。
 そうした苦渋を甘んじて受け入れた末に始まった屋敷での日々ですが、そのスケジュールはまさにぎっしりの一言に尽きます。
 朝は起きたらすぐに旦那様へ目覚まし代わりのフェラチオ奉仕を行い、朝食を含め三回ある食事ではすべて食後に絞りたての精液を飲まされ続けて。旦那様が不在の日中はメイド長さんの指示のもとセックスについての様々な勉強を行い、時には実技講習も加えられたかと思えば、夜には旦那様手ずからの調教が行われます。
 屋敷の地下に作られた調教用の特別室で――時にはお風呂などでも――様々な種類の奉仕のやり方を教え込まれた末に、疲れた体を休める暇もないまま、就寝前にはベッドでそれまでの成果を確かめるように、時には深夜に至るまで濃厚なセックスが繰り広げられるのでした。
 こうして、わたしが屋敷での破廉恥な日々を送り始めてからあっという間に、早くも折り返し地点が過ぎてしまいました。その間ずっと、ただひたすらセックス漬けというしかない日々を送ったことで、わたしの肉体からだ理性こころもすっかり削り取られ、溶けかけてしまっていることはどうやら間違いがないようです。
 そう、気がつけば旦那様の逞しいペニスのことばかりが思い出され、そのたびに下半身が熱く煮え滾ってしまうようになってしまっているのですから。
 そうして淫らに発情しかけた体を抱えたままのわたしに、今日もまた――さらに淫らに堕とすための――調教を与えられる時間が続けられるのでした。
 たとえばそれは――



『……偉大な長沼先生の素敵なオチンポで、どうかこの入須冬実の処女はじめてを奪って頂けますか。まだまだ未熟者の幼いオマンコですが、先生のオチンポを愉しませられるよう精一杯尽くさせていただきますので、何卒なにとぞよろしくお願いいたします』

 全裸のままお布団に横たわっていた、はっきりと見覚えのある――見事な艶を帯びた――長い黒髪の少女が、そうイヤらしく挿入のおねだりをしています。甘い蜜を滴らせた真っ赤な花弁を、自分の指でくぱぁと開かせたままで。
 するとお相手のふくよかなお腹が目立つ中年の男性は、もうすっかり見慣れてしまった黒光りする立派なペニスを自分の指で一度擦りあげると、そのまま少女の入り口に押し当てました。それから、ゆっくりと押し込むように腰を進めていきます。

『ほーら、どんどん入っていくよぉ。冬実くんの処女はじめて、儂のオチンポでがっつりいただいちゃうからねぇ。初めてのセックスの悦び、ふたりでたっぷり感じちゃおうか』
『くぅっ。ああっ、先生のオチンポが、処女膜を破っていく感触が、オマンコに伝わってきます。硬くて、太いのが、ずぶずぶって、入ってくるのが、たまらない――です。お願いします、どうかこのまま、一番奥まで、オチンポ、突っ込んでくれますか? あっ、あっ、あっ、あぁぁぁぁぁ~~~~~~っっっ!!!』

 画面の中で処女を失ったばかりの少女の口から漏れるはしたない声に、自分の時のペニスの感触かいかんを思い出して勝手に腰を震わせてしまうわたしの耳元に、背後から誰かがそっと息を吹きかけてきました。

「どうかしら、これが入須病院の御息女の処女喪失シーンなわけだけれど。自分と比べていかがかしら、えるお嬢様?」
「……入須先輩のこんなはしたない姿、想像していませんでしたから、とても驚きました。けれど、事情もわかりませんから、わたしと比べるなんて、そんな、おこがましいことは、したくありませ――んんんっ」

 誰かの問いかけに答える途中で急に乳首をつままれて、みっともない声を上げてしまいそうになったところを、なんとか堪えきったわたしです。そして、そんなわたしの目の前にある大きなスクリーンには、旦那様の無慈悲なピストンに表情を微かに歪めながら悶えている少女がいたのでした。


 ――朝食を終えてからわたしがメイド長さんに連れてこられたのは、これまでと同じように屋敷の二階にあるシアタールームです。広さは十畳ほどでしょうか、壁一面が巨大スクリーンとなっていまして、その正面の位置に――大きなテーブルを挟んで――四人ぐらいは一度に腰掛けられそうなソファベッドが置いてあります。長沼家滞在初日からずっと、午前中はこの部屋でAVアダルトビデオを鑑賞することになるのが、一連の流れとなっていました。
 ……折木さんや摩耶花さん(もちろん、福部さんにも)には内緒にしておきたい話ですが、実はAVについては二、三回ほど遠くのレンタルビデオ屋さんでこっそり借りて、見たことがあります。具体的な感想については割愛させていただきますが、ここで重要なのはその時わたしが見たものと今わたしが見ているものとでは、明らかに違いがあるということです。
 それはつまり、出演されているのがプロの方と素人の方という、はっきりとした違いが――


『ああ、たまらんねぇ。冬実くんの処女マンコはきつきつで、とても具合がいいわい。おかげでそろそろ射精タイムになりそうなんだが、どうするかね? このまま膣内なか射精しても構わんかねぇ?』
『はい、どうかそのまま膣内なか射精してください、お願いします。先生の熱くて濃くて新鮮な精液を、どうか私のオマンコの奥の奥まで好きなだけ注ぎ込んで、子宮の中までいっぱいにしていただけますか。セックスの悦び、たっぷり教えてくださ~~~~~っっっ♪♪♪』

 画面スクリーンの中では、女体に腰を打ちつけ続けた末にとうとう射精間近なことを告げる旦那様に、少女――入須先輩が旦那様の腰にその長い足を絡めながら膣内射精なかだしを自ら求めて、奥の院へ大量に射精されながら表情をわずかに蕩けさせる妖艶な姿が、はっきりと映し出されていました。
 旦那様に犯される女性が悶えよがり泣きながら、最後には膣内なかにたっぷりと射精されて絶頂してしまう。それはここ数日で何度も何度も見せ続けられた光景ですが、実は初日に一番初めに見せられたのは、わたしが旦那様に処女を奪われる光景を撮影したものでした。
 隣のメイド長さんになじられながら見る自分の痴態はとても浅ましく、追い詰められた末に獣のような声を張り上げる様はすごく恥ずかしいものでしたが、同時にまた新鮮でもあったために、なぜかしら奇妙な興奮を覚えてしまうものでもあったのです。
 そしてわたしの処女喪失場面の映像を見終えると、今度はわたしではない別の少女だれかの処女喪失、そしてそれ以降の調教の日々の記録映像AVを見せられました。
 その中には知らない人もいれば、知っている人もいました。最初のお二人は他校の女生徒なのか見覚えはありませんでしたが、三人目の長い髪の人は見覚えがありました。おそらく、今年卒業された方だったかと。
 それからさらにお二人――漫研の部長さん、お名前は確か湯浅さんでしたか、ともう一人はおそらく天文部の方のようです――の犯される姿を見続けて、それから。次に旦那様に処女を捧げたのは、わたしの友人の十文字かほさんでした。
 驚くわたしの目の前で、それまでの人と同じようにかほさんは犯され、むせび泣き、精液をたっぷりと膣内なかに注がれてイッてしまうのです。その姿を見せつけられたのが、昨日のことでした。そして今日、同じように画面の中で旦那様の餌食になっていたのが、他ならぬ入須さんだったのです。

『――ふぅ。冬実くんのオマンコが良すぎたからね、たっぷり射精してしまったようだねぇ。けど、子宮がいっぱいになるにはまだまだ足りないみたいだから、このまま二回戦突入しちゃうけど。それで構わないかい?』
『……えぇ、私はそれで構いませんから、どうぞ先生のお好きなように。このまま好きなだけ膣内射精なかだしして、先生の精液で私の子宮を満たしていただけますか?』

 入須病院の息女である入須冬実さんとはお互いの家の関係で、昔から面識が少しだけありました。親しい、とまでは言い切れませんが、それでも子どもの頃から見知っていた間柄ではあるので、少なくともわたしにとっては身近な人と言えるでしょう。
 ですから、かほさんの時もそうでしたが、身近な人がこうしてセックスしている光景を目の当たりにするのはとても衝撃的で、とても背徳的で――なによりも、とても刺激的でした。
 自分と同じような形で知り合いが犯されているのを見て、自然と興奮にも似た感情を覚えてしまいながらわたしは、旦那様とセックスをするのはあたりまえのことなのだと。心の奥にそう刻みつけられてしまったような錯覚さえ覚えてしまいます。
 いえ、もしかするとそれは錯覚ですらなくて、ただの確信なのかもしれないのですが。
 と、入須さんの痴態に目を奪われながら、そんなことをぼんやりと考えてしまっていると、
 ――ブゥゥゥンン――

「――ひぁっ!?」

 不意に股間に襲いかかってきた振動に、思わず甲高い声が出てしまいました。膣内なかに嵌め込まれていたバイブレーターがいきなり稼働したようです。
 唸りを上げて震えている機械によって、わたしの膣内なかはぐりぐりと掻き回されてしまい、その動きを受け止めた粘膜のあちらこちらから、痺れるような刺激かいかんがとめどなく押し寄せてきていました。

「あらあら、お友達が抱かれてる姿が羨ましくて目が離せないからって、油断のしすぎは正直良くないわね。こちらはいつでもオマンコを可愛がれるんだから、ちゃんと身構えておかないといつはしたない声を出すことになっても知らないんだから。……もっとも、旦那様に悦んでもらうためだっていうのなら、いい心掛けだって誉めてあげられるんだけど。性奴隷おんなとして、ね」
「あ、ダメ、です。体、押しつけないで、ください。お尻から、ビリビリって、響いてきて、アソコが、もっと痺れて、しまい――ます……っ! 乳首、おっぱいも~~~~っっ!!」

 そこに付け加えるように、ソファベッドに座ってわたしを膝の上に抱えた状態のメイド長さんが同時に腰を――わたしの下半身に――押しつけてきたので、彼女が同じように股間に嵌めていたバイブの振動がお尻にも届いてしまいます。そうして秘所アソコとお尻で奏でられる悩ましい振動の二重奏に、先程から感じ始めていた甘い痺れが加速度的に増していき、下半身を覆い尽くすくらいの勢いで広がっていくのでした。
 その上さらに、メイド長さんの豊かな膨らみが直接素肌に押し当てられている背中からは、尖って硬くなったものが――ふたつほど――押し当てられている感触が窺えます。先程から弄られ続けているわたしの乳首と同じように、メイド長さんの乳首も大きく勃起しているようでした。
 そんな風に背中の上で転がされている乳房の包み込むような柔らかさと、乳首の刺さるような硬さとの対比コントラストがもたらしてくる不思議な感覚に、情動が膨れ上がってしまったのか。下半身を覆い尽くした快感と、それとは別の形で上半身を襲う官能の高まりが重なり合って、波紋のように全身へと行き渡ってしまうのでした。
 まるで麻薬のようなその甘い痺れのせいで、頭の中もいつしかぼんやりと霞がかっていってしまいます。もしかしたらそれは、画面の中で快楽を貪ることに夢中になっている入須さんと同じように、と言えるのかもしれません。
 だって、今わたしが漏らしてしまっている声の響きこそ、初めの頃の入須さんの口からこぼれていた嬌声そのものなのですから――

「……はぁ、はぁ。……ダメ、ダメ、ダメです。これ以上、触らないで、くださ――いっ!? ひあぁぁ――っっ!? 耳、やだ、舐めないで、ください。耳、どうして、こんなに、耳で、感じちゃうの……? あっ、あっ、やぁぁんん♪ これ以上、気持ちよくなっちゃ、ダメなのに、どうして、わたしの体、こんなに、気持ちよく、なっちゃ、うん、ですか……っ?」
 ――ブゥゥゥンンンンン、ブゥゥンンブゥゥゥンンンンヴヴヴヴヴヴ――
「ふふ、だらしない声が出ちゃうの我慢しきれないで、イヤらしいお汁もどんどん溢れてる上に乳首もこんなにビンビンに尖らせちゃって。どうしようもなく興奮しちゃってるのが、傍からも丸わかりですわよ、えるお嬢様。いい加減わたしは発情中のドスケベマンコだって、認めちゃった方がいいんじゃないかしら?」
 ――ヴヴヴヴヴヴゥゥゥゥゥゥンンンンン、ブゥゥゥンンン――
「ダメ、です。そんなの、認められ、ません。ダメ、ダメ、ダメです~~~っっ!! そんなの、認めちゃったら、わたし、絶対に、戻れなくなって、しまいます、からぁぁぁ~~~っっっ!!!」

 激しく動き続けるバイブで秘所アソコを掻き回され続けたかと思うと、いきなり背後から耳を舐められて――一瞬頭の中が真っ白になるくらい、とても気持ちよかったです――しまったわたしは、もう息絶え絶えに呻くことしかできません。感じてないと、気持ちよくなってないと否定することでしか、もう自分自身を保つことができないのです。
 それでも耳を舐められるたび、おっぱいを揉まれ乳首を抓まれるたび、バイブが膣内なかを掻き回していくたびにわたしの体が、処女だった頃の自分から遠ざかっていくのがわかりました。
 きっと千反田えるは淫乱だと、認めてしまえば楽になるのでしょう。けれど、もしそうすれば、わたしはもう元の自分に戻れなくなるのも間違いありません。
 ですから、わたしは頑張ってメイド長さんに逆らうしかないのです。……たとえそれが、無駄な努力なのだと、心の奥底ではわかっていたとしても。

「はいはいそうですね。わかった、わかりましたよ。えるお嬢様が、自分の欲求も認められない嘘つきなんだってことが。そうですね、ここはお嬢様が素直になってくれるまで、そのうるさい口をちょっと塞いでしまいましょうか。ふふ、あ……む。んん……くちゅ……ちゅる……」
「んんん――っ。んぅん……んちゅ……むふぅ……ぷはぁっ。あ……ぅぅんん……あふ……くちゅ……くちゅ……」

 いきなり顎を掴まれて首を横に向けられると、無防備に開かれていた唇を奪われてしまいました。あっと思う間もなく、入り込んできたメイド長さんの長い舌が咥内を蹂躙してきます。
 最初は抵抗しよう、逃げようと思っていたはず。はず、なのですが――

「……むふぅん……うぅぅん、ちゅる、くちゅ……んん……んむ……れぇろ、れぇろ……ぺちゅ、ふぇあ? ……んっ、んっ、んふぅ……」

 気がつけばいつの間にか、メイド長さんと同じように積極的に舌を絡めてしまっているわたしがいたのです。柔らかい粘膜と粘膜を絡め合いぶつけ合い引っ張り合い、そしてひとつに溶け合ってしまう行為に夢中になってしまっていると、どうしてかメイド長さんの舌の動きがいきなり止まってしまいました。
 そのことに一瞬戸惑いを覚えたわたしですが、それでこちらの舌の動きが止まることはありません。

「……んふぅん? んふぅ……むふぅ、んむぅむ……くちゅ、ちゅぷ……れろれろ……んっんっんっ、じゅる……ちゅぽ、ちゅぱ……んんぅん……」

 今度はわたしの方から激しく唇を重ねて、メイド長さんの咥内の奥の奥まで舌を送り込んでみました。舌先で歯の裏側を舐めあげて咥内粘膜のざらつきを味わいながら、逃げようとする舌を追いかけようとしてみます。
 けれど、旦那様にキスされた時はあんなに簡単に舌を捕らえられてしまったのに、わたしが追いかける立場になるとなかなか相手を捕まえられません。これでやっと捕まえられたと思っても、その瞬間にするっと逃げられてしまうのです。まるで、ウナギかなにかみたいに。
 それでも夢中になって舌を動かし続ける内に、なんとなくコツのようなものが掴めてきました。相手の動きを読みながら、時にはこちらが狙いをつけた場所に相手を誘い込むなど駆け引きを使えばいいのです。例えるなら金魚掬いをやってるような、そんな感じと言えばいいでしょうか。そうなってくると追いかけっこも楽しくなってきました。うふふふふ。

「んんんっっ!? んふぅん……ちゅぷ、じゅる……ぷはぁっ。ふふ、えるお嬢様もキスがお好きになったようで、なによりでございますね。ですが、まだまだでございます。旦那様にご満足いただくには、今少し舌運びを精進なさった方がよろしいかと。……んちゅぅ、れぇろれぇろ……んんん……むふぅん、んふっ、ふっ、ふぅぅん……っ!」
「むふぅんん……んふぅ……くちゅ、くちゅ……ちゅぱ、ちゅぷ、ちゅるっ……ぷはぁぁっ! ダメ、なのに。もっと、もっとキス、したくなってしまいます。あぁ、ダメ、ダメ、ダメです……んちゅ……ちゅぱ、ちゅぷ……ちゅる、じゅぷ……もっと、もっとぉ……れろれろ、れぇろ……うむぅん……むふぅ……」

 そうして舌同士の鬼ごっこに耽っているうちに、互いに舌を貪り合う本格的な大人のディープキスになっていました。
 まる恋人同士みたいに情熱的に舌を絡め合い、隙を見てはお相手の口腔に唾を送り込む。そんな激しい口づけキスを交わしているはずなのに、どうしてなのでしょう。なぜかしらわたしは、物足りなさを感じてしまっているのです。
 確かに旦那様の分厚いたらこ唇と比べれば、メイド長さんの唇は小さく薄いもので触れる面積は少ないかもしれません。鼻に届く臭いも加齢臭めいた生臭いものではなく香水の甘やかなものなのも、もしかしたら刺激として小さいとも言えるでしょう。
 けれど、それはそれとして。
 どうしてわたしは今のこの状態で、メイド長さんとのキスと旦那様とのキスとを比べてしまっているのでしょう。最初は嫌で嫌で仕方なかったはずなのに、どうして生々しくその感触を思い出してしまい、尚且つ求めてしまっているのでしょうか?
 …………よく、わかりません。
 わかるのはただ、メイド長さんとのキスはとても気持ちがよいはずですのに、わたしの体と心はもっと気持ちがよい――それこそ旦那様とのもののような――キスを求めてしまっているということだけでした。

(嗚呼――どうしてわたしは、旦那様とのキスをこんなに欲しがっているのでしょう。キスなんてする必要はないはずなのに、気持ちいいからと欲しがってしまうなんてイケません、イケないことです。このままだと本当にわたしがただのド、ドスケベマンコなのだと、認めてしまうことになってしまうのに。旦那様の性奴隷オンナにはなりましたが、それでも自分から求めるなんてはしたないことなのに。気づいたら欲しがってしまっているなんて。キスが、セックスがとっても気持ちよいものだと知ってしまったから、快楽にはもう逆らえなくなってしまったということなのでしょうか。……かほさん、入須さんはどうだったのでしょうか? ああ、どうか教えてください)

 答えが出せない問いの答えを求めるように、わたしはキスを続けながら視線をそっと画面モニターに向けてみます。

『おお、いいねぇ。舌の動きが絶妙で、チンポが蕩けるようだよぉ。冬実くんのフェラチオはオマンコの締まり具合とは違って、最初はどうにも拙いものだったけど。いやぁ、本当にうまくなったもんだねぇ』
『ありがとうございます、旦那様。けれど、それも私からすれば当然のことかと。旦那様のオチンポに気持ちよくなっていただくのは、性奴隷としての最低限の務めですから。この太くて硬くて逞しい、最高のオチンポにご奉仕させていただくのは。ふふ、あぅむ……んちゅ……れぇろ……。いつでも、射精していただいて、構いませんから。旦那様の濃くて美味しい精液、早く飲ませてくださいね。……ぢゅぷ、ぢゅぱ……んむぅん……』

 キスに夢中になっている間に場面? が進んだのでしょうか。見覚えのあるベッド――旦那様の寝室のものです――の上で全裸のまま旦那様に跪いた入須さんが、勃起したペニスにかしずくようにフェラチオ奉仕を始めていました。
 旦那様のあの大きな男性器を口で扱くことに没頭している姿に、ふと自分の姿が重なります。
 たとえば今朝のわたしは、あんな風に旦那様にご奉仕していたのでしょうか。表情は、態度は、振る舞いは入須さんと同じように性奴隷に相応しく、従順そのものだったのでしょうか。それとも、少しは拒絶したり嫌がっている感じは残っていたのでしょうか。
 自分のことは自分ではわかりません。ですが、わたしの予想ではきっと入須さんと同じように、発情した娼婦オンナの顔を晒してしまっていたのではないでしょうか。……おそらく、きっと。

「くすくすくす。ご覧の通り、冬実お嬢様もすっかり一人前の性奴隷オンナになってしまったようですわね。えるお嬢様もすぐにああなるわけですけれど、愉しみかしら? それとも怖がってたりします?」
「…………」
「いずれにしろ、もう少し開発はさせていただきますのでご堪能くださいな。ええ、色々と。……そうですね。とりあえずは、この辺りで一度軽くイカせておくといたしましょうか」

 そう言うなり、メイド長さんはわたしの股間で唸りを上げているバイブに手を伸ばすと、そのまま奥まで押し込んできました。それも、振動の強さを一段階強いものにしてから。さらにその上に、乳首を軽く甘噛みしてきたかと思うと、バイブの脇からクリトリスにまで手を伸ばしてきて、好き勝手に弄くり始めてきたのです。
 ――さすがに堪らず、わたしはあっけなくもイッてしまいました。

「あっ、あっ、あぁぁぁぁぁ~~~~~~っっっ!!!」

 全身を震わせてあっけなく絶頂してしまったわたしに軽くキスをすると、メイド長さんはバイブをわたしの膣内なかから引き抜き――わたしの愛液で濡れた部分をペロリと舐めながら、目を細めて軽い口調で尋ねかけてきます。

「どうかしら。そろそろこんな玩具バイブじゃなくて、本物が欲しくなってきたんじゃない?」
「そんなこと……ありません」

 ぽっかりと穴が空いたような股間――いえ、元々穴は空いてはいますが――の感覚に物足りなさを感じながら、わたしは言葉少なに否定しました。けれど、そんな弱気な態度えんぎでメイド長さんをごまかすことも、彼女から逃れることもできないのです。
 メイド長さんはその長い黒髪がわたしの肌に触れるくらい近づいてくると、一度抜いたはずのバイブを膣内なかにもう一度戻してきました。クリトリスに玩具の振動がうまく当たるように、位置を調整しながら。
 ――一度簡単にイッてしまったわたしが、メイド長さんのその的確な責めに耐えられるはずがありません。せっかくの我慢も、あっさり限界に届いてしまいました。

「嘘おっしゃいな。体はこんなに正直なんだから、ごまかせっこないわよ。ほら、えるお嬢様のオマンコがオチンポ欲しい欲しいって、こんなに鳴いてるでしょ?」
「あ゛っあ゛っ、やだ、やだぁ。あ゛、あ゛、あ゛~~~~~っっっ!!!
 ……ごめ、んなさい、欲しい、です。本物、アソコに、挿れて、欲しいです」
「はい、よく言えました。でも、まだ足りないわねぇ。……いい? アソコじゃなくて、オマンコ。それと、本物じゃなくてオチンポよ。わかった? わかったらちゃんと言い換えて、もう一度言ってごらんなさい」
「あぁ――そんな、そんなこと。わたしは――」

 絶望的な気分になりますが、もうどうしようもありません。それでも、一縷の望みにすがるように助けを求めて――求めて。さまようわたしの視線が、吸い付けられるように画面スクリーンに向けられます。


『では、そろそろこちらでご奉仕させていただきます❤ あぁ……とても熱くなってる❤ ずぶずぶって入ってくる――っ❤ 私、この硬くて大きいのが欲しかったんです……っ❤』
『くっくっく。冬実くんもすっかりチンポ狂いになってしまったようだねぇ。これも儂の調教とチンポの見事さのたまものというわけかな。儂の新たなる忠実な性奴隷おんなの誕生のお祝いに、子宮口に突き当たるまでがんがん突きまくってから、子宮にたっぷりザーメンミルクを御馳走してあげるとしようか。悦びたまえよ、冬実くん。いや――冬実』

 大きな画面の中で。ベッドに裸で横たわる旦那様に上から跨がるように立ち、こちらも全裸の入須さんが割れ目を自分の指でくぱぁと開いたまま、自分から極太ペニスを積極的に咥え込んでいました。
 『女帝』と福部さんが付けたあだ名が示すように、入須さんと言えばまずクールだというのが先に来て、その整った顔を崩すような印象はほとんどなかったのですが。そんな印象なんてどこかへ吹き飛んでしまうほど、今の入須さんはすっかり快楽に蕩けきってしまい、緩みきった発情中メスの顔を晒してしまっているのです。
 かほさんや湯浅さん達と同じく完璧に堕ちきったその表情に、わたしはただ確信するしかありません。
 旦那様のチンポに掛かってしまえば、誰もが簡単に性奴隷ドスケベマンコへ堕とされてしまうのだと。映像の中AVでは全員が最後には自らセックスを求めるほど堕ちきってしまったように、わたしも最終的に彼女たちの仲間入りをしてしまうに決まっているはずだという、そんなどうしようもない現実を。
 ですからわたしは、今この瞬間はもうなにもかも諦めてしまい。メイド長さんのお言葉と、なによりも膣内なかを掻き回される快感に従うことしかできないのでした――

「あぁぁ……っ。オ、オチ……オチンチン、オマンコに挿れて欲しい、です。もう、我慢、できません。――あっダメで、ああぁぁぁぁ、あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛~~~~~~っっっ!!!」
「はい、ダメダメ~♪ オチンチン、じゃなくてオチンポ。イヤらしくおねだりするのに、今更上品ぶってどうするのかしら。せっかくいい本音を付け加えられたんだから、そこはもっと曝け出した方がポイント高いんだから、ね。ほら、頑張ってもう一声どうぞ」
「……わかり、ました。どうか、お願いします。旦那様のオチンポ、わたしのオマンコに挿れてください。気持ちよく、イカせてください――っ」

 メイド長さんの目をまっすぐ見つめながら、わたしはそうおねだりしてみせます。
 とても恥ずかしくて顔が真っ赤に、そのついでに全身が興奮で火照ってしまいますが仕方ありません。旦那様に仕える性奴隷として、メイド長さんの命令ちょうきょうには従わなければならないのですから。

「よくできましたね、えるお嬢様。そのご褒美に、旦那様のオチンポではなくて申し訳ないのだけど、こちらを使って可愛がってさしあげますわ」

 わたしの返事降伏宣言に満足してくれたのでしょうか。メイド長さんは勝ち誇ったように微笑むと、再びわたしのバイブを引き抜くと自分自身のバイブも抜いてしまいました。
 そして、それからなにか奇妙なものを取り出してきます。

「……それは……?」
「双頭ディルドーというものよ。本当はレズビアンの人が女同士でセックスする時に使う性具おもちゃだけど、女同士でならレズじゃなくても問題なく使えるわ。旦那様の代わりに、今はこれでえるお嬢様のオマンコをお慰めさせていただきますね。……んんっっ……ほら、旦那様の時のように脚を開きなさいな」

 シリコンで作られた張形めいた――男性器の形を象った――ものを根元でふたつくっつけたような、そんな形をした道具の片方を先っぽからずぶずぶと自分の女性器に嵌め込むと、メイド長さんはわたしをソファベッドの上に――押し倒すように――横たわらせてきました。
 それから、夜の営みの際の旦那様のように股間を近づけてくるので、わたしは言われるままに足を開いて、それが挿入されるのを待ち構えます。先程までのバイブ責めの名残か、それとも期待にでしょうか、温かいものが一滴、太腿の辺りを伝っていくのが感じられました。

「あっ……思ったより、柔らかいんです、ね……んんぅんん……っ」
「ああ大丈夫よ、えるお嬢様。使っていくうちにちゃんと硬くなってくれるから、安心して気持ちよくなっていいわよ」

 膣肉を掻き分けて入ってくる性具の思っていたよりも柔らかい、人肌に近い感触に思わず戸惑ってしまうわたしです。その反応がおかしかったのかクスリと笑いながら、メイド長さんが腰を前に進めてきました。
 最初はゆっくりと、それから徐々に早くなって、途中からは好き放題に腰を使い始めてきます。……まるで、わたしや他の女の子達を追い詰める時の旦那様のように。

「あっ、そこ、気持ちいいです……っ♪ もっと、もっと擦ってください、お願いします♪ んんぅん……っ。んふぅん♪」
「そう、いいわよお嬢様。もっと腰を使って、動きを私に合わせるように。むふぅん……くちゅ、ちゅぷ……れぇろ、れろ……」

 メイド長さんが腰を揺らし、ディルドーでわたしの膣内なかをかき混ぜるたびに互いの乳首同士が擦れ合って、そこからまた快感が全身へ走ってイキました。
 全部で四つのおっぱいが揺れ動きぶつかり合う様子を傍目に眺め――その大きさの違いに少し敗北感めいたものを感じてしまい――ながら、わたしは旦那様とのセックスの時と同じように目の前の体を強く抱きしめ、唇を強く強く重ね合わせます。淫らに舌を絡め合い、理性を解かし合いながらただ快楽だけを貪る獣と化していくふたりの女がそこには居ました。

「ひゃぁう――っ! ダメですぅ、乳首、擦れ合うの、感じちゃいます♪ こんなの、スゴ、過ぎです……っ。女性同士で、こんなに、気持ちよく、なれるなんて。セックスって、ホントに、スゴい、です♪」
「ふふ、セックスの素晴らしさをえるお嬢様も大分わかってきたようで、私もなによりですわ。おっぱいもオマンコもお口の方も、体中どこでも気持ちよく感じまくれるように、もっともっと感度を高めていきましょうね、えるお嬢様」

 官能を昂ぶらせる全身の刺激に悶えるわたしを見下ろし、長い黒髪をわたしの肌の上に垂らして妖艶に微笑みながら、メイド長さんがわたしの髪を優しく撫で上げてくれます。そんな彼女のディルドーによる叩きつけるようなピストンを、わたしは子宮を含めた下半身全体で受け止めるのでした。
 全身の肉が溶けてしまい、ひとつに混ざり合ってしまう――そんな錯覚を覚えながら。
 それでもわたしの身体ココロはこれ以上の快楽を求めてしまい、どうしようもなく淫らに腰を振り続けてしまうのです。

(嗚呼――こんなの卑怯です。ダメダメです。こんなに気持ちよすぎる快感を味わってしまったら、絶対元に戻れなくなるじゃないですか。セックスが大好きになるに決まっています。セックス以外のことが、考えられなくなるに決まっています――っ♪)

 全身が燃えるように熱く熱く煮えたぎり、イヤらしい水音が鳴り響く結合部からは快感の塊がめくるめく奔流になって届いてきました。脳からは快楽物質がドバドバと出続けているのでしょう。頭の中はもう真っ白で、目の前がチカチカするだけでなにも考えられません。ただ身体だけが自動的に気持ちよいところを探して、求めて、待ち望んで勝手に動いていくのです。
 ――こうなってしまえば後はもう、ただイキつくところまで登りつめるしかありません。

「ああぁぁん――っ♪ わたし、もうダメです♪ これ以上、我慢できません。セックス、気持ちよすぎて、イッてしまいます♪ あ゛っあ゛っあ゛っ、あ゛っあ゛~~~~~っっ!! あ゛ぁぁぁ~~~ん゛ん゛ん゛ん゛~~~っっっ!!!」

 身体が一瞬浮き上がったような浮遊感とともに、頭の上から足の先まで貫くような電流が走り抜けていき――堪らず絶頂したわたしは、無意識に――快楽に溺れた淫獣けだもののような――嬌声を腹の底から絞り出してしまいました。
 反射的に弓なりに身体をしならせ、爪先までピンと伸ばして絶頂オーガズムの瞬間を心ゆくまで味わった末に、わたしはソファベッドにそのまま脱力した身体を預けます。同じようにイッてしまったのでしょうか、そんなわたしの上にメイド長さんが身体をもたれかけてきました。
 柔らかい肌同士が触れ合う独特の温かい感触に心を和ませながら、わたしは黙ってメイド長さんの身体を受け止めます。あんなに激しくて気持ちいいセックスをして、今もディルドーで繋がり合ってる関係なのですから、それくらいの心配りをするのは人としてあたりまえのことです。

「……………………はぁぁぁ……………………」

 ――そうしてソファベッドの上に力なくふたりで横たわり、素晴らしいセックスと絶頂アクメの余韻に浸りながらも。それでも今のわたしは、子宮にあの熱い体液が注がれなかったことに、どこか物足りなさを覚えてしまっていたのでした。

テーマ : 二次元総合 漫画・エロゲー・小説・エロアニメなど
ジャンル : アダルト

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