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緒方理奈の正しい堕とし方

9.5 緒方理奈の食事事情(迷推理編)


 ――覚醒とともにゆっくりと目を開けると、窓の向こうはもう夕暮れが迫っているようだった。

(え? 嘘、ちょっと待って。今何時――!?)

 慌てて起き上がった理奈がサイドボードのデジタル時計を確認すると、既に夕方の五時を回っている。早朝のビーチでの撮影を終えた後、一日オフということでひとまず仮眠を取ったわけだけれど――昼には起きるつもりがどうやらそのまま寝転けてしまったようだ。撮影で思いがけず消耗していたのもあるけれど、それに加えて青山の連日の調教による――肉体と精神の両方の――疲弊もその原因だろう。


「撮影……か。……はぁ…………」

 ベッドから上半身だけ起き上がった姿勢で、憂鬱そのもののため息を吐き出してしまう理奈。そうなってしまったのは今朝の撮影のことを思い出してしまったからだ。

(オールヌード、撮られちゃったんだよね、私。それにあんなイヤらしい格好、自分から見せちゃったし。いくら青山さんに上手くノせられたからって、どうしてあそこまでいっちゃうかな。これでもう、後戻りできなくなっちゃった。たぶんもっと過激な撮影されちゃうのよね。でも、それを望んでる私もいる。気持ちよくなりたい、して欲しいって思ってしまってる。……ホント、どうしてこうなっちゃんだろう)

 頭を抱えてしまいながらそっと自嘲の笑みを口元に刻みつける。脳裏に浮かび上がるのはぞうさんパンツの中で勃起したオチンチン×14の映像。アレを見せつけられただけで、体には触られていないのに――むしろ、触れられていないから?――理性が簡単に吹き飛ばされてしまっていた。だからこそヌードもそれ以上の姿も撮られる羽目になったのだけど、どうしてそこまで発情してしまったのか。
 今もショーツに大きな染みができるくらいに濡れてしまっているのは何故なのか。
 考えようとしたところで、ぐ~~~っっと、不意にお腹が盛大に鳴ってしまった。

「……そういえば、半日以上なにも食べてないのね。さすがになにか入れておかないとマズい、か」

 栄養補給を訴えてくるお腹を抱えて呟くと、理奈は膝を車輪代わりにベッドを縦断して内線でルームサービスを注文する。あまりにも空腹過ぎて、着替えてレストランまで行くのが億劫なのもあるけれど――今の体の変調が食事にクスリを混ぜられている可能性を考えて、まだ危険が少なそうなルームサービスを朝食以外は選んでいるというのが実際のところだ。
 ――もちろん、その疑念に確証があるわけではない。ただ、そうとでも思わないと――いくら撮影と調教とで開発されまくっているとはいえ――今の発情具合が説明できなかった。思えば初めて体の異変を感じたのはバーベキューの夜だったが、たとえばビールにクスリを混ぜるのはこの業界ではよくある話だ。青山にしても上村にしてもお手の物だろう。そしてレストランの料理にも同じことをしていると考えれば――彼女の性感がありえないほど高まっていることにも理解ができる。
 だから昼食と夕食はルームサービスで済ますようにしたのだ。朝食だけは顔見せのために、仕方なくレストランを使うけれど、それでも由綺や弥生と同じメニューを取ることで少しでも危険度は薄めてある。
 ……この判断にはひとつだけ弱点があった。それは由綺や弥生も青山の側に付いていた場合、むしろ危険度が上がってしまうことだ。たとえば休憩中に弥生から貰うドリンクにもしもクスリが入っていたとしたら、理奈の警戒も努力もすべてが水の泡になってしまうのだから。

(ま、そんなことありえないんだけどね。……うん、絶対にありえないから)

 どこか縋るような気持ちでそう自分に言い聞かせる。二人まで敵に回ってしまった場合、もはや彼女には青山達に抵抗する術などなく、後はただ彼らの好き放題に蹂躙されるだけに違いないのだから。
 ――そんな風にモヤモヤした気持ちを抱え物思いに耽っていたところにチャイムが鳴り、理奈は慌ててベッドから脚を下ろすとスリッパも履かずにドアへ向かう。そのままドアを開けると、見覚えのある従業員が立っていた。
 一昨日の夜に廊下ですれ違った黒人の青年は理奈の姿を目に止めるなりしばし呆けていたようだったが、ややあって思い出したように我に返ると、ワゴンを丁寧に室内へ運び込んでくる。

「Let me set the table for you」

 そう告げてからテーブルのセッティングをする間も、彼の視線は何度も理奈の方へと――ちらちらと――向けられていた。性的な色を帯びたその熱い視線を受けて、彼女はようやく自分の格好が夜着のままなことに気づく。
 身に付けているのは赤のネグリジェとショーツだけだから、ノーブラの上半身は半分くらい透けてしまっていて、当然Cカップの膨らみもその大部分が露わになってしまっていた。おまけに寝乱れてしまっていた影響で裾の辺りがまくれ上がっているせいで、引き締まった太股辺りまで肌が剥き出しになってしまっている。
 これでは挑発しているようなもので――実際、スラックスの股間は少し盛り上がっているようだ。

(大きくなってる……。私で、興奮してるの? セックス、したいのかな?)

 今朝見たばかりの勃起チンポの集合シーンが脳裏に浮かび、思わず性的興奮を覚えてしまう理奈。ゴクリと唾を飲み込むと、片側の肩紐をそっと外して肩から胸に掛けて露出させるとともに、前屈みになって胸の谷間を魅せつけてみる。彼の股間の膨らみが更に大きくなったのを見て、彼女は秘かな満足を覚えた。
 勃起させながらも平静を装い作業を無事完了させる黒人青年。そのままこちらにまっすぐ視線を向けるのを見て戸惑う理奈だったが――チップの存在を思い出して荷物から財布を取りに掛かる。無防備なお尻を彼に晒したままで。

「これでいいかしら……、っといけない。落としちゃったわね。よっと……」

 コインを手渡す際に二人の呼吸が合わず、掌から滑り落ちた何枚かが床にばらまかれてしまう。二人ともがそれを拾おうと同時に腰を屈めかけたところへ、「――きゃっ」体をぶつけ合ってしまったその勢いで、理奈は男にベッドへと押し倒されるような形になってしまった。
 彫りの深い顔が息が掛かるほど近くにある。片方の手は彼女の動きを封じるように頭のすぐ横に置かれ、もう片方の手は乳房の真上に載せられてしまっていた。更には、彼の股間が理奈の股間に重なる形で――まさに挿入しているような体勢で――二人の体が絡み合ってしまっている。そのおかげで、彼が腰を少し動かすたびに与えられる硬いモノがオマンコを擦りあげてくる快感のために、下着に愛液がじわりと染み出してしまうのだった。

「…………あ、ダメ。ダメよ……」

 思いがけない状況に理奈が呆然としていると、彼の顔が徐々に近づいてくる。そのまま動けずにいた彼女の唇に、黒人青年の唇が重ねられた。

(あ、キス優しい。こんなの、抵抗できなくなっちゃう……。私、このまま、犯されちゃうのかな……?)

 甘い感触に寝起きの頭が蕩けてしまう。自然と目を閉じてしまい、全身の力を抜いてベッドに深く沈み込んだ。乳房を強く揉まれる快感に表情を弛ませると、緊張と期待を抱いてそのまま待ち構える理奈だったが――それ以上なにも起こりはしない。
 不思議に思って彼女が目を開けると、どうしてか彼はそれ以上手を出そうともせずにベッドから下りたところだった。

「Don’t you want fuck me?」
「I just don’t want to rape you」

 自分とセックスしたくないのかと――思わず訊いてしまった理奈に、蓬髪の客室係は一度不愉快そうに答えると、それから不敵に唇を吊り上げながら言葉を連ねてくる。

「If you want my dick really,then I’ll fuck you」

 そして、そのまま彼女のことを振り向きもせず部屋から出て行ってしまった。
 結果ベッドの上に一人取り残される形になった理奈だったが、手を出されなかったことに物足りなさを覚えたり落胆してしまうより先に、

 くぅ~~~~~~

 再び鳴り響いてしまった腹の虫に、現実へと引き戻されてしまう。

「……そうね、なにはなくともまずは食べないと、ね。腹が減ってはなんとやら、か……」

 そう呟くと彼がセッティングしてくれたテーブルに向かい、椅子に腰を下ろしてフォークとナイフを手に取った。大きめのハンバーグが二個に付け合わせのポテトとニンジンのグラッセ、大盛りライス、シーザーサラダにコーンクリームスープ、デザートにはパパイヤやマンゴーなどの南国フルーツ盛り、と。今日のメニューはいつもより多めになっている。
 それらを貪るように――とは言えあくまでも上品に――すべて平らげると、食後のレモンティーを口にしてようやく人心地がつく理奈だった。ほうとため息をついてから、再び熱い液体を口に運ぶ。少し粘り気がありどろっとしている感覚が新鮮で癖になりそうな味だ。日本で飲むものとは文字通りひと味違うけれど、なにか特別なモノでも入れているのだろうか。
 そんなことを思いながら最後の一滴まで紅茶を飲み干し食事を終えると、理奈は手早く食器類とテーブルを片づけてワゴンに載せ、そのまま部屋の外に運んでいく。ホテルの廊下は相変わらず誰の姿も見えない。一瞬だけ誰かが居るのを期待してしまったが、叶えられることはなかった。
 そのことに落胆を覚えている自分に心の片隅で驚きながら、彼女は部屋に戻りそのままベッドに腰掛ける。

「……ハァ。…………んっ」

 その口から、不意に悩ましげな吐息がこぼれ落ちた。どうしてだろう、カラダがまた熱くなってしまっている。そして全身が火照っているだけでなく、股間がどうしようもなく切なく疼いてしまっていることに身悶えしながら、理奈は自嘲の笑みを浮かべてしまっていた。

(……参ったわね、ホント。いったいどうなってるのよ、このカラダは――っ!?)

 睡眠欲、食欲が満たされたから次は性欲を満たして欲しいと言うのだろうか。……そんな笑えない戯言ジョークを言いたくなるくらい、目の前の現実は悪夢のようだった。今日は肉体への刺激が一切ない代わりに撮影で精神的に官能を煽られて欲情をそそられたところに、さっきのペニスの擦りつけだ。中途半端に肉体を刺激されたせいで、彼女のカラダがそれ以上の刺激を欲しがってしまっているのだろう。
 さらにそれを後押ししているのが、すっかり部屋にこびりついてしまっている、栗の花を思わせるザーメンの臭いだ。青山の調教が行われたこの二日で精液臭があっという間に部屋中に漂ってしまい、理奈の官能をいちいち刺激してくるのだから困ったものではある――が、一番問題なのは、それを解っていてもその淫臭を消そうともしない彼女自身なのかもしれない。
 そんな影響もあったせいで、子宮の奥から響いてくるじんじんとした疼きに対し、オマンコへ指を突っ込んで弄くり回してしまいたい衝動を覚えてしまう理奈。辛うじてそれは堪えているものの、それでも耐えきれず無意識の内に太股を擦り合わせ、少しでも秘所へ快感を送り込もうと体が勝手に動いてしまうのだった。

「……くぅっ。ダメよ。……ダメ、だって……っ」

 快楽を貪ろうとする本能からだを押さえようと、必死に理性こころを働かせる。そうやって抵抗に没頭するあまり、彼女は気づかないうちにサイドテーブルを――軽くとは言え――蹴飛ばしてしまっていた。
 その勢いで、テーブルからなにかが足下に転げ落ちる。つま先の軽い痛みを堪えながら、理奈はベッドに腰掛けたまま床に手を伸ばすと、それを拾い上げた。包んでいたタオルを開けると、昨夜の調教で使われた――そのまま青山から渡されてしまった――バイブが姿を見せる。それを見た瞬間、彼女は思わずゴクリと唾を飲み込んでしまっていた。

「――――、…………」

 どれくらいの間そのままでいただろうか。やがて理奈はバイブを握りしめたまま意を決したように頷くと、脚から引き抜いたショーツをそのままベッド脇に滑り落とし、それからネグリジェを脱ぎ捨てる。そしてなにひとつその身に纏っていない体をベッドに横たえ、電源を付けたバイブをその秘所に押し当てるのだった。





「あああぁぁんんんん、いいの、これ気持ちいいのぉぉぉ~~~~っっっ!!!」

 部屋中に響き渡る虫の羽音にも似た駆動音をかき消すように、大きく開かれた口から激しいよがり声が迸っている。
 エグゼクティブルームのキングサイズのベッドの上では、トップアイドル『緒方理奈』のオナニーが繰り広げられていた。昨晩の青山の調教と同じようにバイブをオマンコに突っ込んで、ただしオナニーを見せる相手青山も居ないまま、一人だけで。

「あぁぁ、バイブスゴイの。こんなの、感じ過ぎちゃうからぁ。ダメぇ、ダメだってばぁ。いけないのに、夢中になったらダメなのに、こんなの絶対止められなくなっちゃうからぁぁぁ~~~~っっっ!!!」

 強に目盛りを合わせたバイブをぐしょ濡れのオマンコに突き刺して、その激しい振動によるとめどない快感をメス穴でたっぷりと味わう。さらに空いている方の手を使っておっぱいを揉みまくる。青山や上村、ボブの巧みな――気持ちよく感じさせてくれた――手つきを思い出して、できる限りそれを真似るように。
 彼女がオナニーを始めた当初はやや躊躇いがちで大人しい動きだったが、快感を得るにつれて次第に大胆になっていき、一度大きなアクメを極めてからはもう歯止めは利かなくなっていた。餌を求める飢えた獣のように両手の動きは激しいものに変わり、ひたすらに快楽だけを求め、貪っていく。

「うぁぁっ、あぁん♪ ハァハァ……いいの、おっぱいもオマンコもすごく気持ちいいの♪ どうして、こんなに感じちゃうの? あぁダメ、手が勝手に動いちゃう」

 ビンビンに尖りきった乳首を抓るその痛みに悶えながら、夢中になって嬌声を上げ続ける。オマンコもおっぱいも乳首もクリトリスもどこもかしこも、全身が感じすぎて堪らない。それこそ、オナニーを止めることなんて考えられないくらいに。
 そんな風にバイブの振動による刺激を愉しみながらも、どうしてか理奈は次第に物足りなさを感じ始めている自分に気づいていた。

(ああ、ダメ。バイブもすごく気持ちいいんだけど――オマンコが欲張りになってるから、本物のオチンチン欲しくなって来ちゃってる。挿れて欲しい、奥まで突きまくって欲しいって体が求めちゃってるみたい♪)

 バイブみたいな冷たい偽物 つくりものじゃなくて、温かい本物の肉そのもののオチンチンに膣内を抉って欲しいと、体がそう思ってしまっているようだ。もしも彼女が処女だったらそんなことを思うことはなかったはずだけど、既にチンポの味とそれが与えてくれる悦びをを知っている欲張りなオマンコは、男のモノをはっきりと求めてしまっている。
 そして、そんな理奈の脳裏に浮かび上がってくるのは――唯一受け入れたことのあるはずの――冬弥のモノではなく、ここ数日でその感触を覚えさせられた――それよりも大きくて逞しい――青山のモノだった。
 その事実に気づいた瞬間、下腹部の辺りに甘い刺激を覚えてしまう理奈。

(……ゴメン、冬弥。でも、想像するだけならいいよね。青山さんのオチンチンの方が欲しいって思うだけならいいよね。セックスしたいって、思うだけなら……)

 頭の中で元彼に謝罪をすると――彼女は口元にイヤらしい笑みを貼りつけながら、青山に組み敷かれている姿を脳内にイメージする。そしてその極太チンポが彼女の膣内 なか 挿入はいっていくところを妄想しながら、オマンコに入ったままのバイブに青山チンポを重ね合わせるのだった。

「あぁ、青山さんのオチンチンすごく硬いの。いいの、そのままれてちょうだい。……うぅん、大きいの 挿入はいってきてるぅ。ダメぇ、こんなの気持ちよすぎるからぁ♪」

 挿入された チンポバイブの動きに腰を合わせながら、悩ましいよがり声を絞り出していく。頭の中では激しいピストンで彼女を快楽の渦に叩き込んでくる青山が、強引に彼女の唇を貪りながらその骨太の手で痛いぐらいに美乳を強く揉みしだいてきていた。

「もっと、もっとキスしてぇ。青山さんとのキス大好きなの。ううん、うぅん。いいよ、もっと激しくしていいから。もっと犯して欲しいの。オマンコめちゃくちゃにしてぇ。青山さんのぶっといオチンチンで掻き回してーーーっっっ!!! もっと、もっと奥まで突きまくってぇぇぇ~~~~っっっ!!」

 規格外のペニスに膣内の奥深くまでガンガン掘り貫かれ、子宮口に何度も深いキスをされる感覚に酔いしれる。その間も青山の手と舌は容赦なく彼女の体を蹂躙していき、ひたすら官能の炎に炙られ続ける理奈の心だったが――それでも、どうしてか物足りなさを覚えてしまうのだ。

(どうしてよ!? 昨日はあんなに簡単にイケたって言うのに。バイブだって強に合わせてるって言うのにどうして? ――もしかして、本物のオチンチンじゃないとイケなくなってるの? ……そんなこと、ないわよね。一度イッちゃったからオマンコの感覚が鈍っちゃってるだけで、普通にイケるに決まってる。そうじゃないとおかしいんだから……っ)

 そう自分に言い聞かせながら、もどかしさを解消するために彼女は体勢を――仰向けから俯せへと――変えてみた。男に組み敷かれて犯される体勢から、男を押さえつけ自ら快楽を貪る獣の体勢へと。

「あぁぁぁぁん、オチンチンいつもと違うところを擦ってるの、とっても気持ちいいの♪ この硬くてぶっとい素敵なオチンチン大好き。オマンコもっと感じさせて欲しいの。あ、そこ、いいの♪ ダメだって、こんなの我慢できないからぁ。腰、勝手に動いちゃうからぁ。気持ちよすぎて、頭おかしくなっちゃいそう♪」

 唇を熱烈に貪りあいその厚い胸板に指を這わせて逆に悶えさせると、自由になった腰を上下に激しく揺り動かして、急所に突き刺さったままの偽ペニスを味わい尽くす。ベッドの上で全裸のまま四つん這いになり――女性上位の体位になり――体を丸めた状態で、高く上げたお尻を――バイブを抜き差しながら――淫らに上下させる様は傍から見れば娼婦そのものだが、脳内セックスに夢中の理奈本人にその自覚があるはずもなかった。
 そうやってただ快楽を求め続ける肉体に命じられるまま、偽物のペニスにオマンコを貫かれるメスの悦びをはしたなく求め、酔いしれるだけの元トップアイドル。そんな彼女が胸を弄ることも忘れてひたすらピストン運動のみに興じ、その顔を枕に埋めて枕カバーに涎を垂らしながら、押し殺した嬌声を部屋中に響かせている。バイブが抜き差しされている股間からはぐちゅぐちゅと淫らな水音が響き渡り、その快感に溺れるまま顔はだらしなく蕩けきってしまっていて、普段の白い肌が今は火照って真っ赤に色っぽく染まり発情しきっている様を見せつけているのだ。

「あ゛~~~~~、もうっ、ダメぇっ。オチンチンスゴイの。オマンコバカになってる。こんなの感じ過ぎちゃうからぁっ。あ、あ、あ、オチンチンすごくビクビクしてる。もう、 射精る?  射精ちゃうの? いいよ、そのまま中に射精して。私の膣内なか青山さんの精液でいっぱいにして。お願い、アイドルマンコに種付けしまくってぇぇぇぇ~~~~っっっっ!!!!」

 バイブの振動を射精寸前のペニスの蠕動に見立てて。理奈はペニスから吐き出された大量の精液がオマンコの中を埋め尽くすところをイメージする。そうして青山の精液が彼女の一番奥に叩きつけられたと感じた瞬間、激しいアクメが彼女の体を満たすのだった。

「あっ、あっ。ダメ、もうダメ。いいの、もう限界なのぉ♪ イク、イク、イクぅぅぅ~~~っっっ!!! あぁぁぁぁ、んんんん、はぁぁぁぁぁ~~~~っっっっ!!!!」

 艶めかしいよがり声を思いきり絞り出すと、背中を弓なりにピンと伸ばし全身をビクビクと震わせながら、気持ちよく達してしまう理奈。下腹部に漂う痺れにも似た快感の残滓に彼女は満足の吐息をもらすと、脱力した体をベッドにそのまま横たわらせた。
 振動し続けているバイブをイッたばかりのオマンコに咥えさせたまま、絶頂の余韻に浸りきっていた理奈が不意に悔しそうに顔を歪めてしまう。

(あ~あ、やっちゃった。我慢しきれずバイブオナニーしちゃって二回もイッちゃうだけでもアレなのに、青山さんに犯されちゃうところを想像して気持ちよくなっちゃうなんて。ホント、どうかしてるわ。……でも、そのおかげでサイコーに気持ちよかったのも事実だから、仕方ないわよね。本当に青山さんにハメられないためにも、前もって性欲は発散しておいた方がいいんだし)

 そうやって無意識の内に――欲望に負けた末の――自らの行為に言い訳を与えながら、ぼんやりと視線をベッド脇の時計に向ける。ちょうど七時になったところだった。つまり、青山の調教タイムまであと一時間を切ったと言うこと。

「……ちゃんとシャワー浴びて着替えないと、ね。こんな格好のままでいたら、それこそ青山さんに犯してくれって言ってるようなものだもの。いくらフェラチオとセックスはNGにしていたって、オナニーで派手にイッちゃった後の姿なんて見せたら、そんなの関係なくなるはずだし……」

 彼女が呟くように、今の汗まみれ、愛液塗れで体を赤く火照らせたままの姿を青山に見られたら、間違いなく迫られて強引にチンポをハメられてしまうことだろう。オマンコの奥までペニスをガンガン叩きつけられて、容赦なく中出しされてしまうに違いない。

(それだけは避けないといけないんだから……どんなに気持ちよくイカされたって、それだけは。セックスだけはしないようにしないと……)

 オナニーのネタにするのはまだしも、本当に本番を許してしまったら終わりだ。そうなってしまったらきっと、青山のチンポを欲しがるだけの淫乱肉奴隷に堕とされてしまうだろう。……由綺みたいに。
 そう思ってしまった理奈はぶるりと体を震わせると、バイブをようやくオマンコから引き抜いて電源を落とす。それから汗と愛液を洗い流すために――バイブを手に持ったまま――バスルームへ向かうのだった。
 そして。



『だから今晩は御褒美としてたっぷりイカせてあげるから、楽しみにしてくれていいからね』



「――――ッ」

 シャワーのコックを捻りかけたところで青山の捨て台詞を思い出し、彼女は思わず体を――期待に――震わせてしまい、股間から新たな愛液を垂れ流してしまうのだった。
 そう、確かに本番とフェラは許してはならない。けれど、それは同時にそれ以外の行為ならすべて受け入れて問題ない上に、いくらでも気持ちよくなっていいと言うことではないのか。そう思った瞬間、全身が激しく燃え上がってしまった彼女は、思わず手に持ったままだったバイブを再び秘所に突っ込んでしまう。

「あっ、ダメよ。ダメ、なのに。手が勝手に動いちゃう……。うぅんっ、やだぁぁ♪」

 悩ましい声を漏らしながら、再びオナニーを始めてしまう理奈。



 そうしてまた蕩けるような絶頂を迎えてしまった後ではっと我に返った彼女は、ようやく全身にこびりついた体液を洗い流すことができたのだった。けれど、それが青山に寸前までオナニーしていたことをバレないように痕跡を消すためなのか、それとも(仮の)ご主人様に思いきり弄んでもらうための準備として身を清めるためなのか。そのどちらなのか、答えを出すことはできないまま――
 バスタオルで全身を拭き清め、とっておきの黒の下着の上にお気に入りのブラウスとスカートを身につけた理奈が、なんでもない振りをしてベッドの上に腰を掛けることができたのは、青山のいつもの 調教タイムごほうびが始まるその五分前のことだった。



 発情値 【肉体87】:【精神81】

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