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緒方理奈の正しい堕とし方

0 淫謀は前もって準備を


「緒方理奈に森川由綺の写真集――ですか。確かにとっても魅力的なお話なんですけど、撮影開始が二週間後ってのはいくらなんでも無茶振りしすぎでしょ。こっちにもスケジュールの都合ってのがあるんだから――って、全部キャンセルさせた!? は、マジで!?」

 ラブホテルの一室。そのベッドの上に全裸で横たわったままの状態で、彼は非常識な電話を受けて思わず大声を出していた。その下半身の辺りから、その声に隠れるように幽かな水音のようなものを響かせながら。

「うわ、その筋からの依頼かぁ。そりゃボクみたいな木っ端カメラマンじゃ断れるわけないですよねぇ。つーか、逆らったらどうなるか想像したくないですよ。おお怖い怖い」

 これでも自他共に認める有名カメラマンであると自負はしているものの、スポンサーが通話相手の話通りならそんなプライドなど犬に食わせた方がマシだ。上の人間にはひたすら低姿勢で、が業界で長く生きていくコツだというのは、これまでのカメラマン生活でたっぷり身に染みているのだから。

「で、同時にIVも撮るのは解りましたけど、撮影のコンセプトってなにかあります? こっちが勝手に決めるのもスポンサー的にアレですし。……は? え、それってマジで? 冗談抜きにそこまでやっていいの?」

 相手が口にしたコンセプトのありえなさに、彼は思わず耳を疑っていた。確かに二人とも今の状況はよろしくないが、それでも一時はアイドルの頂点まで上りつめたのだ。それを思えばその過激さは俄には信じられない。……成程、芸能界は魔窟だとよく言ったものだ。

「あー、成程。だから緒方理奈ってワケか。あの噂は本当だったってことだ――いやいや、ボクはなにも知らないし裏事情なんて興味ないですって。ボクが今考えてるのは、お仕事のことだけ。いや、ホントに」

 ポロリと漏れた考察に追及が入りかけたのを、彼は大急ぎで否定してごまかす。とは言え、彼が仕事のことを考えてることに嘘偽りはない。ただしより正確に言うなら、それはその仕事に伴う副産物――つまりは被写体とのセックス――についてだったが。
 これまでの成果を思い返しながら彼がペニスを大きくさせたところで、「……ん? んむッ……」と苦しそうな声が下半身から聞こえてきた。だがそれを無視して、彼は電話を続ける。

「とりあえずそのコンセプト、こっちとしては願ったり叶ったりですけど。それでよく森川由綺の事務所からOK出ましたね。え、むしろ事務所の方からオファーが来たんですか? うわぁ、えげつねぇなそりゃ」

 事務所側が投資費用を回収するために本人が望まない仕事をさせることは業界の常識に近いが、まさか森川由綺クラスでさえそのルールから逃れられないとは。思わず桑原桑原と唱えてしまう。

「まぁ、事務所に話がついてるならボクとしても安心ですけどね。ただ、写真集とIVについてはどうにかいけるとしても、その後についてまではどうかなぁ。よっぽどうまく堕とさないと流石にそこまでは厳しいでしょ? ……え? その点についてはボクに任せるからきっちり堕とせって? それはいくらなんでも無責任――え、いえ、はい。はい。わっかりましたよ、このボクの今までのノウハウ全部出しできっちりやらせていただきますとも! ええ、ボクのカメラマン人生を賭けて!」

 破れかぶれのその宣言に満足したのか、話はそこで終わった。終わってくれた。
 長い会話が終わったところで、彼は携帯を枕元に放り投げる。ぐったりと脱力しながら、彼はそこで電話の間ずっと――やはり全裸で――フェラチオを続けていた彼女に目を向ける。

「ねぇ、今の話聞いてたよね。――じゃあさ、写真集の件知ってた?」

 問いに彼女はチンポから唇を離すと、黙って首を横に動かした。長い黒髪を揺らしながら。

「そっか。じゃあ本人にもまだ話は通ってない、と。……ああ、それならこの手は使えるか」

 降ってきたアイデアを頭の中でまとめてみる。急場凌ぎにしては、それは悪くないものに思えた。なによりも彼自身に愉しみが増えるのが魅力的だ。

「だったら、仕込むのに二週間しかないんだから、○○にも協力してもらわないとな。御褒美はたっぷり用意するからよろしく頼むとするとして、まずは前払いだ」

 ふてぶてしい笑みを浮かべると、彼は無表情の彼女を一気にベッドへ押し倒す。



 ――それから数分後には、肉同士がぶつかり合う音と喘ぎ声が部屋中に響き渡るのだった。

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